睡眠のスチュワードシップ

 日本で睡眠学の第一者といえば、筑波教会員の柳沢正史さんで、連合の女性一日集会でも睡眠について大変興味深いお話をしてくださった。日本は世界中で最も長寿国で、平均寿命は、男性81歳、女性87歳だが、健康寿命は、男性72歳、女性75歳とギャップは大きい。その原因の一つが、「睡眠の長さと質の低さ」によると柳沢さんは挙げておられた。日本人は世界で最も睡眠時間が短い国の一つで、慢性的な睡眠不足は、認知症リスク上昇、生活習慣病の悪化、免疫低下に直結する。

それと共に、睡眠は“長さ”ではなく“質”が重要であると言われた。深い睡眠が不足すると、怒りやすくなる。浅い睡眠が続くと、判断力が鈍る。睡眠の乱れは、ストレス耐性を下げる。言われてみれば、思い当たる所だらけである。睡眠の良し悪しが、翌日の集中力や忍耐力や包容力に直結していると感じるからだ。睡眠は、体と心と霊のすべてに影響する。つまり、睡眠は「人生の三分の一」ではなく、「残りの三分の二を支える土台」であると言える。

では、質の良い睡眠を得るためにできることは何か。日中の過ごし方は・・朝の光を浴びる、軽い運動をする。就寝前の過ごし方は・・食事は寝る3時間前までに取る、就寝90分前に入浴する、ストレッチや深呼吸をする、スマホの光を控える。寝る前は温かい飲み物を取る。寝室環境を整えるには・・温度はやや涼しめ(20℃)、静かで暗い環境、寝具を見直す。(枕やマットレスが合わないと深い眠りが妨げられる)

その他、心の面から質の良い睡眠を得るためにできることがある。

1.怒りを手放す。「日が暮れるまで怒ったままでいてはいけません。」エフェソ4:26。怒りは時間と共に「恨み」「敵意」へと変質する。その間、心に平安が奪われ、祈りや奉仕の力が弱まる。人間関係の修復が難しくなる。だからこそ、日暮れまでに怒りを手放するという姿勢が、心の健康と霊的な健全さを守る鍵になる。「夫婦喧嘩した時は、寝る前までには夫に謝る。」と証されていた金子千嘉世先生を思い出す。

2.神の御手に委ねる。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」ルカ23:46は主が十字架上で息を引き取られる際に発された言葉だが、これは詩編31:6の言葉である。ユダヤ人が一日の業を終えて眠りにつく時に、毎日祈る言葉でもある。そして感謝を言葉に表す。「今日の心の重荷もすべて神の御手に委ねます」と言って、眠りにつく習慣は、睡眠の質を大きく高め、新たな一日を清々しく迎えることができる。