23歳で芥川賞を受賞した鈴木結生さん(姪浜バプテスト教会員)のインタビュー記事がキリスト新聞に載っていた。「いわゆる『2世』としての葛藤や、他の家庭と違うことへの違和感などはありませんでしたか?」という質問に、「クリスチャンであるということが、僕の中では少し特別で、逆に嬉しかったような気もします。幼いころは、友だちをどんどん教会に誘って遊んでいました。あんなに広い遊び場所は他にないので、みんな喜んで来ていましたね。親が牧師だということが積極的に言えたという面も多少あるかもしれません。教会では他の子よりも多様なジャンルの大人と関わることがあったので、コミュニケーションの面でもうまく立ち回れたのだと思います。作家の先生方や人前でもあまり緊張せず、自然体で話せるのは、教会で育ったおかげかもしれません。聖書をはじめ子どものころから本には恵まれた環境でもあったので、絵本や劇にもたくさん触れることができました。」
又、「日曜日に教会に行かなければならないとか、不自由さを感じたことはありませんでしたか?」という質問に、「僕はまったく感じなかったですね。好きな人がいっぱいいる一番遊びたい場所が教会で、学校も楽しいけれど、一番じゃないという思いはずっとありました。子どもたちで勝手に礼拝ごっこをしてみたり、しおりを手作りして、バザーで教会員に売った収益から献金したり、そういうことが許される自由な雰囲気でした。子どもだけで自発的にどんどん活動できるのが楽しくて、学校では許されないいろいろな遊び方を、教会学校などを通して教えてもらいました。教会の大人たちにも、遊ぶのが上手な人たちが多くて、そういう環境を確保してくれたおかげだと思います。」
教会は子どもたちにとってどんな場所であるべきか、鈴木結生さんの言葉から教えられた。それは、遊び場所であり、たくさんの絵本や劇にも触れる場所であり、子どもだけで自発的に活動できる場所であり、多様な人と出会う場所であり、楽しい場所であったと。それは上尾教会の子どもたちにも言えることではないか。毎週の幼小科では、ゲームをしたり、賛美歌を歌ったり、聖書のお話を聴いたり、礼拝では、今日の子どもの日礼拝のように、様々な奉仕をして、成長している姿を見る。「大切なのは、植える者でも水を注ぐ者でもなく、成長させてくださる神です。」Ⅰコリント3:7とあるように、神によって「共に育つ」教会を目指していきたいものである。