世界祈祷週間を迎えて

「世界祈祷週間」は、アメリカ南部バプテストのロティ・ムーン宣教師を記念して始められた。彼女は1873年、33歳の時から72歳で召されるまで40年間、中国での福音宣教に励んだ。彼女は「中国の人々の救いのために祈ってほしい、中国の人々の暮らしのために献金してほしい、中国に更なる宣教師を送ってほしい。」との願いを南部バプテストの女性たちに伝え、それに応えるかたちで、「ロティ・ムーン・クリスマス献金」の活動がなされた。その信仰を受け継ぎ、日本では1931年から世界祈祷週間が開始された。諸教会の女性会は祈りと献金を推進し、女性連合が日本バプテスト連盟と一緒に取り組んでいる国内外における伝道活動のために献げてきた。

日本バプテスト連盟の世界伝道は、派遣先の祈りや要請に仕えることを第一としてなされ、しかも「和解の福音に仕える」ことを大切にしている。インドネシアに派遣されている野口日宇満・佳奈宣教師は、神学校と教会に仕え、伝道者の育成に励んでいる。今から20年前に国際ミッション・ボランティアとしてルワンダに派遣された佐々木和之さんは、現地の大学で平和を担う若者を育て、恵さんは和解と共生のためにツチ、フツの女性たちと「ウムチョ・ニャンザストア」を運営し、そこで作られた素敵な製品をネットでも販売して、女性たちの自立支援に役立てている。

世界宣教は、いつの時代も教会の大切な使命である。復活の主は弟子たちに「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」マルコ16:15と命じた。その言葉を真剣に聞いた弟子たちは、「出かけて行って、至るところで宣教した。」マルコ16:20。私たちが主を信じることができたのも、世界宣教の使命に燃やされた宣教師の働きに負うところが大きかった。「宣べ伝る人がなければ、どうして聞くことができよう。」ローマ10:14と語られたように、いつの時代も「宣べ伝る人」が必要である。

しかし、諸教会が教勢的にも財政的にも厳しくなってくると、どうしても内向きになり、世界宣教は自分とは関係のないことと思ってしまうのではないか。『「国外」は遠いです。自分(各個教会)とは関係ない、宣教師や特別な人がやっていることと思っていまうかもしれません。しかし、私たちの出来事です。事実、「国外」はいま「国内」に入ってきています。いまや世界は一つに繋がっており、一人ひとりの信仰者がイエス・キリストの宣教師なのです。国外の働きに対する意識変化が肝要です。』「聖書教育」11月号

ボーダレスの時代、私たちは様々な国の人々に福音を語る機会が与えられている。